労災事故発生時の遺族補償
過労死や労災による死亡は、年々減少しています。遺族としては労災保険からの保険の他にも国民年金や厚生年金、遺族年金受給の対象となるので生活はいくらか楽になります。しかし、これでは本質的には問題が解決していません。事業主は社員の健康管理や就業中の安全を守るという責任があるのです。そのため、遺族から安全配慮をする義務に違反しており、債務不履行であると損害賠償請求を受けることがあります。この損害賠償請求の算定についてはもちろん斟酌事由によって増減はされるのですが、そうなると労災保険を給付されても全然足りないということがあります。会社側の過失責任を問う訴訟で、和解金・賠償金が1億円を超えるものが発生したこともあります。
労災事故で理解しあうために
労災事故が起こった際には、示談交渉ということで非弁行為にならない部分で、会社の実態を理解、把握し、労災保険給付の手続きを含めて対応のアドバイスをします。事故が起きた場合は、企業として誠心誠意、国の保険で金銭的な保証をすることが後々遺族と争わなくて良くなる一番の方法でもあります。